JA営農経済事業の自己改革を目指そう

設立趣旨書

いま、農協をとりまく情勢は大きく変わりつつある。

生産サイドでは、組合員農家の性格が多様化し、農業の担い手の高齢化・女性化がすすんでいる。消費サイドでは多様な加工食品が日常の食生活に入り込み、外食・中食等の形で食の外部化がすすむなど、消費の形態も多様化し、その結果、大量の業務用食材の需要が生まれている。

そこで流通に目をやれば、量販店が農産物の価格形成に大きな影響を与えるようになり、卸売市場での相対取引や市場外流通が盛んになるとともに、農業の国際化の進展なども相俟って、恒常的な農産物輸入に一層の拍車がかかっている。

しかしその一方では、社会の成熟化のなかで、安全・安心で新鮮な国産の農産物に対する需要が増し、食べ物をとおして農業・農村との関係性の深まりを求める都市生活者も増えてきた。多品目少量生産による朝市・産直などが盛んになり、需給関係にもとづく市場価格とは切り離された「関係性にもとづく価格」が形成され、その延長線上で、都市農村交流、定年帰農などの動きも盛んになってきている。

このような生産・流通・消費の大きな変化に、系統共販は十分対応しきれているだろうか。

近年、日本経済や農業をとりまく状況が厳しくなるなかで農協の各種事業が低迷し、農協経営の屋台骨である信用事業の収益性も悪化しているが、この研究会では、農協運動の根本理念に立ち返り、上述の新しい情勢に対応した新しい営農関連事業を創出することによって農協の運動と経営を再興する途を探りたい。研究会に集う農協が先駆的実践を相互に学び、その先駆的実践をそれぞれの農協が置かれた地域的特殊性のフィルターを通して取り入れ、営農関連事業を主軸に地域づくりを行なうことによって、組合員農家の生産や生活が充実し農協経営も安定的に発展する――そのような農協運動の本源を今日的段階でめざす主体的・実践的な研究会である。

そのような農協の事業・経営の実態にもとづく変革の研究をすすめるため、この研究会は単協の役職員を正会員とする各単協横並びのフラットな研究組織とし、会員農協を訪問視察する現地開催の研究会も重視したい。

この研究会では、産地間競争の時代から多品目少量の産地間連携の時代への移行を鑑み、JA間協同や各種生産組織との連携による地域自給の研究をすすめ、すぐに実施可能なものから実行に移していく。

また、上述の生産・流通・消費の多様化のもとで農協の経営を営農関連事業中心に立て直し、以上に見たような地域づくりの実践のなかで農協の事業の目的そのものである組合員の創造力の開花と自己実現をはかるためには、情報技術に精通し、より高度な情報の利活用や受発信を行なうことが不可欠である。そこでこの研究会では、新しい営農関連事業を主軸とした地域づくり農協への脱皮と農協のIT革命を一体的にとらえて研究をすすめていきたい。

地域農業の再建は、農協の支え抜きには考えられない。農協は、農村の地域インフラそのものである。農協の役職員の積極的な参加を呼びかける次第である。(2001年9月8日)

PAGETOP
Copyright © JA-IT研究会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.