「協同組合が多くの挫折を味わってきたことを、われわれは経験で知っている。……そこには協同組合理念からの多くの離反があった」(国際協同組合同盟マルコス会長)
司馬遼太郎がいう「この国のかたち」には、「名こそ惜しけれ」という、自律的で自助的な透徹した「無私奉公」の倫理観、武士道精神があった。「協同組合のかたち」にも利他の精神がある。利他、相互扶助の「こころ」が協同組合の「かたち」をつくる。
協同組合は経済と道徳の結合を哲学とする。一方、新自由主義には人間道徳がない。政府か市場かの選択を迫りながら、ひたすら市場原理・競争主義に邁進する。協同組合運動は新自由主義に対抗する思想である。農協の「自己改革」も協同組合理念を再確認するとともに、自主・自立、参加・民主主義、
教育・学びあいなど協同組合のアイデンティティに自覚的な改革としなければならない。